わくわく公式派生作オタク

「原作では見られないオリジナルストーリー!」にわくわくが止まらない異端のオタク

【ネタバレ注意】アニメ版『文豪とアルケミスト』が見せた「物語」の残酷なまでの美しさ

  原作ゲームからのファンであるTwitterのフォロワーさんが勧めてくれたアニメ『文豪とアルケミスト~審判ノ歯車~』が、もう最高に面白かった。フォロワーさんには感謝してもしきれないくらいだ。

走れメロス

走れメロス

  • 発売日: 2020/04/05
  • メディア: Prime Video
 

 

 恥ずかしながら私は原作未プレイ勢なのだが、まず「文豪達の思念体が文学作品の世界に入って、侵蝕者(敵)が物語を改変することで歴史から作品の存在を消滅させようとするのを防ぐ」という基本設定からして面白い。これにより、知っている作品のifルートを提示されつつ、原典通りに進めようとする文豪達の奮闘を楽しめる(もちろん、知らなくても作中で解説してくれるので問題なし)。

 

 また、侵蝕者に取り込まれたことで、作者は文学世界の主人公に成り代わっている。こうして『走れメロス』のメロスとセリヌンティウスの信頼は太宰治と師・佐藤春夫に、『桜の森の満開の下』の山賊の孤独は坂口安吾に。文学の世界の物語が、作者=本作のキャラクターの物語へ重なっていく。二重のドラマを味わえるのだ。

 

 こうして、「アニメ版における主人公・芥川龍之介と、彼を慕うもう一人の主人公・太宰治が中心になって文学の世界で戦い、それを通してキャラクターが掘り下げられる」のが、ストーリーのフォーマットだと示される。

 

 次に、バトルアクションのかっこよさを推したい。太宰が初回から「なんで文豪が戦うの!?そもそも武器持ってんのっておかしくない?」とメタいツッコミを入れてくる館長代理「痛いところを突くな…」が、いざバトルシーンになると半端さは一切感じられない。とにかく鮮やかで目が離せない。

 

 そして、キャラクターが美麗なステンドグラス風に描かれ、文字をバックに縦横無尽に動き回る、神風動画によるオープニング映像も実に素晴らしい。

グッド・バイ

グッド・バイ

  • 浦島坂田船
  • アニメ
  • ¥255

 

 フォーマットを設定しつつも緩急の効いた展開で魅せてくれ、後半は衝撃の連続。題材を最大限に活かし、「物語」をめぐる熱い想いを描いた傑作であった。

 

※これ以降の内容はかなり重要なネタバレを含みますので、全話を視聴してから読むことをお勧めします

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2020年の「わくわく公式派生作オタク」を振り返る

 すっかり更新が滞ってしまい、申し訳ありません。

 コロナにより中止となった冬コミの代わりに開催されたオンラインイベント、「エアコミケ2」に参加する準備をしていたからなのです。

  

 私はジョジョ公式ノベライズの非公式二次創作小説(めちゃくちゃな字面だな!!)で参加しました。イベント終了後も、全編無料のまま配信を続けまーす!!

ibunshushu.booth.pm

PDFデータ(全編無料DL可)

 

第5部のノベライズといえば、『恥知らずのパープルヘイズ』(上遠野浩平)が有名なようだが、現在ジャンプ・ジェイ・ブックスの公式サイトに掲載されていないものの、『ゴールデンハート/ゴールデンリング』(宮昌太朗大塚ギチ)という作品が先に出ている。

(以前自分の書いた文章より

 

 内容は以前「Privatter」で公開していたものの再録ですが、加筆・修正しており書き下ろしの番外編もあります。

  もし私がドラゴンボール孫悟空だったら「ぜってえ見てくれよな!!」と言いたいところですが、R15相当のグロ描写あるしこんな時世にウイルスでモブが死にまくる話なので別にぜってえじゃなくていいよ!もちろん読んでもらえたらすごくうれしいけどね!!ゴールデンハート未読の人でもついていけるように書いたはずだし!

 

 私の「原作にないオリジナルキャラとスタンドと、恥パともアニメとも違うフーゴの解釈って…いいよね!」という気持ちを詰めこんで、そのくせ「でも私、全員生存してるジョルノ達と離脱後フーゴに直接対峙して会話もしてほしかったんだよな…コニーリオ(『ゴールデンハート~』のヒロイン)にももっとジョルノ達と絡んでほしかったし、彼女の『あの設定』にも意味を持たせてほしかった…」と勝手な願望を大量に押し付け、なおかつパラレルなのをいいことに恥パとアニオリの設定とも融合させた趣味全開の二次創作なんでよろしくねーっ!!

 

 宣伝はこれくらいにして、後はタイトル通りの内容いきましょう。

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【アニメブラクロ】「悪魔をあがめる者」と「迫害を乗り越えるヒーロー」の狭間

  • はじめに
  • デビル・ビリーバー編の大筋
  • アスタへの歪んだ憧れ
  • ダズーの受けた屈辱
  • アスタがヒーローたる理由とユノの存在
  • 彼女達の選択
  • その結末
  • おわりに
  • 追記(3/31)…スペード王国編と最終回を踏まえて

 

はじめに

 いきなり性癖を語り出すけどもね、私はヒーローが大好きだからこそ、そのヒーローの信念を揺るがすような敵が現れる展開とか、大好きなんですね。

 あと、「敵とヒーローに共通点がある」とか「境遇が似ている」っていうのも好きなんですよ。何かが違っていたら立場が逆だったかもしれない、鏡写し、とでもいうのか。

 そんなのが「アニメでしか見られないオリジナルストーリー!」でお出しされたりした日には、もう最高だね。

 

 

 さて、アニメ『ブラッククローバー』は、初代魔法帝の伝説が語られるアバンタイトルから毎回始まっていた。

 後にそれは、現代に生きる主人公・アスタの活躍と信念を語るものへ変わる。

  クローバー王国。魔法が全てのこの国で、唯一魔法が使えない少年がいた。その名はアスタ。

 

 努力と根性で魔法騎士団に入団し、傷だらけになりながらも決してあきらめることなく、懸命に高みを目指して進み続ける!

  たとえ下民でも、たとえ貧しくても、誰もがこの世界で輝けると証明するために!魔法帝になるために!

 

 しかし、142〜148話の「デビル・ビリーバー」編(とこのブログでは呼びます)ではこうだ。

  クローバー王国。魔法が全てのこの国で、唯一魔法が使えない少年・アスタ。彼は魔法帝になるために、血のにじむような努力を続けていた。

 

 だが、魔法が全く使えないわけではないにせよ、脆弱な魔力しか持っておらず、魔法がほとんど使えない者も、この国には存在する。

 全人口のほんのわずかな者達。日陰に生きる者達……。

 その者達も皆、日々を生き抜いていた…………

 

 そして描かれる、どこかの暗い路地で傷つきながら歩く青年の姿。彼の瞳には悔しさが宿っている……。

 

 このアニメオリジナルストーリーは、アスタのような「迫害を乗り越えるヒーロー」とそれを応援する私達に、「迫害を乗り越えられない者の心の闇の深さ」を、容赦なく突きつけてくるものであった。

 

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炭治郎の『好きな食べ物』って…

 今日は公式派生作の話じゃちょっとなくなるんですけど、映画公開中の『鬼滅の刃』大人気ですよね。

 

 もう、「普段はアニメを全然取り上げないような番組が『鬼滅』を特集すると聞いたので見る」んじゃなくて、「テレビをつけたら偶然普段はアニメを全然取り上げないような番組が『鬼滅』を特集してた」がほぼ毎日起きているレベル。

 

 そんな社会現象となっている『鬼滅』ですけど、「主人公の炭治郎の好きな食べ物はなに?」って聞かれたら、キャラクターブックを持っているほどのファンの方以外はどれだけ答えられるでしょう??

 

 

 

 アニメから入った私は、ネットで調べるまでわからなかったんですが……。

 

 

 鱗滝さんが作ってくれた鍋と焼き魚?

 浅草のうどん?

 善逸と分けたおにぎり?

 藤の花の家で出た天ぷら…が好きなのは伊之助らしい。

 

 テレビシリーズの中じゃそれくらいしか食べるシーンなかった気がするぞ。

 

 

 じゃあ……やっぱりおにぎりかな?漆黒炒飯風の。

www.ssnp.co.jp

 

 

 あるいは、炭焼き風鶏そぼろのたこ焼きではないか??

www.ssnp.co.jp

 

 

 いや、ここはくら寿司ぶっかけうどんか??

 

 

 などと色々、推察できそうな要素がコラボ食品からも出ておりますが、実際は…

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小説『おそ松さん〜番外編〜』の握手会をめぐる年中が濃すぎる件

 まずおことわりというか、今回は結構な下ネタを書いてしまいました。ただ握手してきただけなのに。

 

 あとこのブログではなるべく非公式カップリングの話は控えたかったんですが、一にゃーへの情熱がちょっとはみ出した気がするのでご注意ください。

 

(かといって、他の一にゃー好きな人が期待して読んだらそこまで語ってなくてガッカリさせてしまうかもしれないこの矛盾…!)

 

おそ松さん~番外編~ (集英社みらい文庫)

おそ松さん~番外編~ (集英社みらい文庫)

  • 作者:小倉 帆真
  • 発売日: 2016/07/22
  • メディア: 新書
 
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『えいがのおそ松さん』からの愛と感謝の全力パンチに我々は倒れるしかない

 君は見たか!?

 製作陣の皆様による我々への感謝ダイレクトアタックを!!

 

 

 『えいがのおそ松さん』を紹介しようとすると、一言目はそうなってしまうほど、あの日劇場から出てきた自分は感激していた。

 … にもかかわらず、これまでTwitter以外で感想を残すのを忘れてしまっていた。

 

 

 そうこうしているうちに、第三期の放送がすぐそこに迫っている。これは放送開始までにがっつり感想を上げねば……と思ったのでした。

 

 

 ただし!!この感想には思いきりネタバレが入っているのですが、未視聴の松ファンの人は是非観てから読んでください!!

 おそ松さんが好きなら観て損はないと思いますし、できればネタバレ踏まずに観てほしいので!!よろしくお願いします!!!

 

 

Chapter.1  

Chapter.1  

  • メディア: Prime Video
 

 

 

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【ネタバレ注意】ワイ、5部脱出ゲームのパンフレットだけ読んでよけい行きたくなる

リアル脱出ゲーム×ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風「ジョジョの奇妙な美術館からの脱出」 ジョジョ脱出realdgame.jp

 

『コロナから身を守る』

『脱出ゲームに参加する』

 両方やらなきゃいけないのがジョジョラーの辛いところだな

 

 覚悟はいいか?

 

 俺は…………

 

 …………俺は………

 

 

 できませんでした……

   (´;ω;`)

 

 

 などともたもたしているうちに、公演は中止や延期になってしまった。

 せっかく自分の住む北海道でもやってくれていたというのに……。

 

 

 一方、オリジナルグッズのネット販売が始まった。

 その中には公演内容のネタバレを含むパンフレットもあるというので、「再開されて参加してからの方が…」と迷いはしたものの購入。

 

 そう、これまで脱出ゲームなるものに全く触れてこなかった上に、基本好きなアニメのイベントにはぼっち参加、見知らぬ人たちと協力して挑戦するなど未だに自分なんかにできるとは到底思えないこの私がなぜ『ジョジョの奇妙な美術館からの脱出』にここまで執着するのか?

 

 その理由は純粋にジョジョ5部という作品やキャラクターが大好きだからというのもあるが、とにかく公式から「原作にはなかったオリジナルストーリー!オリジナルキャラ!!オリジナルスタンド!!!」が新しくお出しされるものなら、それを摂取したくてしたくてしたくて仕方がない病に罹患しているからに他ならない。わくわく公式派生作オタク病。

 

 

 というわけでパンフレットを読んだものの、オリジナルキャラ・スカートラの設定が公式サイトより詳しかったり、声優・ディレクターへのインタビューに「こういうシーンがある(らしい)」「こういう展開はボツになった」と書いてあったりするものの、サイトに書いてある以上のオリジナルストーリーの内容がはっきりわかるわけではなかった。

 まあ、公演パンフレットとしてそれで正解だろう。

 

 

 正直言うほどではない気もするのだが、この先には売る側が「ネタバレ注意!」としたパンフレットの記述について思いっきり触れているので、こちらも記載した方がよいと思われる。

 

 ネタバレ注意(後で苦情はきかないぞ!)

 

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