わくわく公式派生作オタク

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【再掲】学習漫画『日本史探偵コナン』飛鳥時代編を読んでみた

 本記事は、「Privatter」に書いた感想に一部修正を加え、こちらに再掲したものです。

 

 Privatter版はこちら↓(ほぼ同じ内容ですが)

 

privatter.net

 

 ちなみにPrivatterには、以前は他に映画やアニメの感想も書いていましたが、現在は二次創作小説が中心です。

 

~~~~以下、再掲~~~~

 

 『日本史探偵コナン』シリーズとは、その名の通り名探偵コナンのキャラクターを使った、児童向けの日本史学習漫画である。

 

www.shogakukan.co.jp

 

 シーズンⅠの劇場版リスペクトなスタイリッシュ副題がネットで話題になったこともあるけれども、驚くべきはその「コナンキャラを通して歴史を勉強する」ために作られたストーリーだ。

 

 なんと、少年探偵団の前に現れた阿笠博士に激似の神様のお告げにより、過去にタイムスリップした少年少女を救うため、時代を超えて通信できるスマホを使い、コナンくんが彼らにアドバイスを送るという話なのだ。

 

( ゚д゚)

 

 心なしか「名探偵コナン」に出てきてはいけないはずの言葉を3つぐらい書いてしまった気がするが、要約するとこんな感じの話らしい。

 

 もうこれだけでツッコミどころ満載すぎて読む意欲がムクムク湧いてくるけども、私は更にツイッターでにわかには信じ難い情報を得た。

 この日本史探偵シリーズには火の魔神が登場する巻があるというのだ。ファンタジー漫画かな??

 

 というわけで、本来は一巻から買うべきなのだろうけれど、火の魔神が登場する三巻がどうしても読みたかったので、自分の日本史探偵デビューはシーズンⅠ第三巻・飛鳥時代編『霧の中の異邦人<ストレンジャー>』となったのである。

 

 

日本史探偵コナン 3 飛鳥時代: 名探偵コナン歴史まんが
 

 

 

 

 

 この第三巻、メインはタイムスリップしてしまったオリジナルキャラの少年少女の冒険譚であり、コナンくんはあくまでたまにアドバイスを送るサポート役となっている。他の巻もそんな感じなのだろうか?導入とエピローグ、あとメインストーリーの合間に入るコラムページは、コナンキャラのでづっぱりなのだが…。 

 

 これは、いくらターゲット層に近い目線の少年探偵団トリオがいるといっても、主人公がコナンくんでは頭脳明晰かつ大人びすぎていて、子供達には感情移入し難いからなのだろうか(まあ中身高校生だし)

 

 しかし、この日本史探偵シリーズ以外の学習漫画では普通にコナンくんが主人公なので、やはり「タイムスリップを使った歴史学習漫画というアイディアが出たはいいものの、コナンキャラをタイムスリップさせるのは世界観的にちょっと…」という経緯があった…のかどうかは知らない。理科の学習漫画ではコナンくんがティラノサウルスのクローンに襲われたりしてるけどな!!

 

 ちなみに作画担当者は二人おり、三巻のコナンキャラを描いているのは『特別編』(主に学年誌で連載されている、青山剛昌先生とは別の作者によるコナン漫画)も描いている太田勝先生で、比較的原作・アニメに寄せた画風。

 もう一人の方がオリジナルキャラの冒険パートを描いているのだが、これが青山先生と画風が全く異なっており、コナンキャラ達とのギャップが凄まじい。

 

 つまり、ストーリーのほとんどは原作とかけ離れた絵柄によるオリジナルキャラクターの活躍で占められているので、読んでいるとこれは最初から名探偵コナンとは無関係なSF物語であり、真っ当な学習漫画に触れているような気分になる……(面白いし)

 

 いや、コナンくんがタイムスリップした人間に関わってるだけで十分おかしいですね。感覚麻痺してますねコレ。

 

 

 今回の実質的な主役を務めるオリキャラは、

 小学生の潔。理由は語られないが不登校気味のネガティブ少年。彼の精神的成長がストーリーの肝と言える。

 潔のクラスメートで学級委員の咲良。「なせばなる!」が口癖で潔とは正反対のポジティブ少女。あとかわいい。

 この二人と、インコにしては肥満体型すぎるのチロ。

 オリジナルキャラの作画は狛枝和生先生という方が担当しており、とっても可愛らしい。やっぱり青山先生の画風とは全然違うが

 

 

 さて、子供達の目的は、その時代のどこかにある「時のイシ」という現代に戻るためのアイテムを見つけ出すことにある。

 

 潔と咲良は飛鳥時代で、渡来人の男性と彼の仕える「皇子」なる人物と交流したりしつつ、遂に時のイシを発見。

 が、それは祀られている御神木の中にめり込んでいて、取り出すことができない。

 御神木を守る神官は、「御神木を傷つけることなくイシを取り出すこと」をイシを譲る条件とする。

 

 しかし、咲良達にはどうすればいいのかわからない…。

「コナン君なら何かいい方法を思いつくかも!!」

 とスマタン(現代のコナンに繋がるスマホ)を使ってみる!しかし…

「木を傷つけないでイシを取り出すなんてムリだ…」

 なんとまさかの原作主人公お手上げ。おい平成のホームズ!!おい!!

 

 落胆する潔、「コナンくんでもわからないなんて…」と泣き出してしまう咲良。そりゃそうだろうよ。

 そこで皇子が「私に考えがあります」と立ち上がる!もう名探偵皇子でいいんじゃないかな。

 

 まずは神官をその場から退出させた皇子。

 彼が考えた方法とはなんなのか?と聞くと、その答えは…

「何にも考えてません♨」

 ……これには読者だけでなく潔たちも唖然。

 だが、急にひらめきましたと皇子はすごい勢いで御神木を刀で彫り始める。

 御神木を傷つけない約束はどうするねん、と思ったものの皇子に任せてみることに。

 しかし一心不乱に彫り続けた反動か、皇子はぶっ倒れて寝てしまった。一同も疲れたので横になる。

 

 だが、目覚めた潔が異変を感じ…

「みんな起きて!!何かおかしいよ!!」

  なんと、燃える炎をまとった魔神が現れたのである。

 

 燃える炎をまとった魔神が現れたのである。

 

 出たよ、火の魔神!!

 

『仏を信じる者ども…!!』

『お前達を殺してやる!!』

  皇子に襲いかかる魔神。そのピンチを救ったのは、同じく燃える炎をまとった不死鳥であった!どういうことだよ!!

 

 そして繰り広げられる魔神と不死鳥のバトル!名探偵コナンの名前が入ってる作品で繰り広げられる、タイムスリップした飛鳥時代での魔神と不死鳥のバトル!(劇場版コナンでアムロとシャアが殴り合うのって、別におかしくもなんでもないことだったんだなぁー)

 

 不死鳥が魔神の腕を攻撃すると、魔神は姿を消した。そして不死鳥は、インコのチロの姿に。もう何がなんだかわからんぞ。

コナン「お兄さん達、だいじょうぶ!?」

潔「コナン君!!魔神が出たんだ!!」

コナン「魔神!?落ちついて…そんなのいるわけないよ!!」 

 至極真っ当な意見を返す、さっきは役に立たなかったコナンくん。阿笠博士似の神様はいるのに魔神はいないのか…

 

 コナンくんは、潔たちが薬(アレなクスリではない)で幻覚を見せられていたと推理。

 そう、皇子に襲いかかったのは人間であり、それにチロが立ち向かった様子が、幻覚剤で魔神VS不死鳥に見えていただけだったのだ。な、なんだー。ですよねー。

 

 こうして皇子を襲った犯人を突き止め、無事事件解決。

 御神木にはまったイシのことも、皇子がイシを取れるような形の仏像に御神木を彫り、神官に怒られたけど「私は余計なものを取り除き御神木本来の姿にしただけです」と言ったらなんとかなった。とんちか!!(本当はこの後また波乱があるぜ!キミの目で確かめてみよう!!)

 

 無事に飛鳥時代から脱出できた潔と咲良とチロ。

 そんな彼らを現代から見届けた探偵団であった。コナンくんと博士以外何もしていなかったが

 だが、コナンくんと哀ちゃんには気になることがあった。飛鳥時代に現れ潔たちを妨害した、怪盗ウルフと名乗る人物だ。

 

 怪盗キッ…ウルフというのは本シリーズオリジナルのライバルキャラで、白いシルクハットとスーツとマント、モノクルを身につけたオオカミ男の姿をしており、グライダーで空を飛び去る、正体は誰なのかまるで検討もつかない謎の存在だ。

 

 この怪盗キ…ウルフの目的とはなんなのか?オレを試しているのか…とコナンくん。彼の謎を後のエピソードへと引っ張り、飛鳥時代編は終わる。

 

 

 というわけで、ツッコミどころ満載ではあったが楽しかったな飛鳥時代編……!

 この日本史探偵コナンのシーズンⅠは、縄文時代から昭和までを題材にした全12巻が発売されている。2020年4月現在では、続編のシーズンⅡ(全6巻)も発売中だ。

 

 更に、その合間に出た外伝として、羽田秀吉が登場する『将棋編』と、安室透が登場する『国宝編』もあるのだ!!(『忍者編』と、平次が登場する『刀剣編』もあるよ!)

 エーッこの世界観に原作のキーキャラを巻き込んじゃっていいんですかァァー!?て、テンション上がって来た!!!

 

 …というわけで、国宝編の感想記事を、近日新規に公開したい。できるといいなあ……。

 

※この感想は『日本史探偵コナン 3 飛鳥時代 霧の中の異邦人<ストレンジャー>』のストーリーの一部を、個人的な主観で書いたものです。気になったら実際に読んでみてくれよな!!

 

 

日本史探偵コナン・シーズン2 全6巻セット(化粧箱入り)

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  • 作者:小学館
  • 発売日: 2020/02/20
  • メディア: 大型本