わくわく公式派生作オタク

「原作では見られないオリジナルストーリー!」にわくわくが止まらない異端のオタク

バトルものの日常回(アニオリ)からしか摂れない栄養がある

 日常ものも良いが、バトルものの日常回もいいよね。

 というわけで、アニメONE PIECEの懐かしい回と、アニメBORUTOの最近の回のお話をします。

(先にワンピの話から書くので、BORUTOの話が読みたい人はスクロールしてね。すまんな)

 

 

 これは子供の頃見た記憶をうっすら覚えていたエピソードで、加入したばかりのロビンとチョッパーのほのぼの回。

 まあもちろん主人公達が島から島へ渡る海賊なので、日常といっても一般的な視聴者の送る日常とは違うのだが、特にバトルもピンチもないので「航海中のとある日常のお話」と呼んでいいだろう。

 若干原作のキャラ描写からブレが感じられる気はするが(ルフィがいつもよりアホに見えるなど。笑)、それでも好きな回だ。

 

 ある島に上陸した一味。ルフィ達が食糧調達へ向かい、チョッパーとロビンは二人で船の番をする。

 チョッパーは、初対面から即一味に加わったロビンを警戒しているが、ロビンの方はこの時期の彼女なりにチョッパーに歩み寄ろうとしているのかな、と感じさせる。

 

 水の入ったタルを壊してしまったので二人で水汲みに行き、そこでチョッパーはDr.くれはとの思い出を話す。

 師匠であり親代わりになってくれた、厳しくも優しいくれは。懐かしい気持ちになり、「手紙を書こうかな」とチョッパー。

 その話を聞いたロビンは、微笑みながらも「私も手紙を書く相手が欲しかったわ」と寂しい言葉を漏らす。

 

 実の家族(トナカイの群れ)に追放されたチョッパーだが、ヒルルクとくれはという家族に出会うことができた。出会えなかったら「何かあった未来」みたいに人間を生贄にしてたんだろうか

 対して、母や図書館の人々と死に別れた後、自分を愛してくれる人間に出会えなかったロビンの過去を想うと、とても切ない台詞だ。

(注・この時はまだ描かれてないし尾田先生の構想にはあったとしてもアニメスタッフには伝えてなかったんじゃね?と思われるかもしれないが、こう捉えた方が面白いから捉えてるだけなんであまり気にしないように)

 

 でも、我々はもう知ってるよね。麦わらの一味こそが、ロビンにとっての温かな居場所になることを。

 

 夜、「今日何してたんだ?」と聞かれ、チョッパーは「おれは別に…でも、結構いい一日だった!」と笑う。

 

 この時のロビンは、輪になって食事するルフィ達から一人離れているのだが、そばには水汲みに行った時見つけた花を飾っていて、「ああ、ロビンにとってもいい一日だったんだね」とほっこりして終わる。余韻が美しすぎる…。

 

 もう一つ見直したのが、銀ギツネのフォクシーが再登場するエピソードで、こちらは日常回ではなくバトル要素がある。

 ならなぜ言及するのかというと、この回でもロビンとチョッパーが二人で船の番をするのだが、スゴロクやあやとりで仲良く遊んでいる。

 空島とデービーバックファイトを経て、ずいぶん距離感が変わったものだ…とほっこりが倍になって返ってきたのだった。

 

 

 次にBORUTO

 

 こっちもまた、サブタイトル通りに旅館で温泉に入ったり卓球をしたり肝試しをしたりするだけの平和な回だ。

 不気味な落ち武者の幽霊が出てきてはいるのだが、ボルトとカワキをビビらせるくらいで、特に事件や戦闘につながるわけではない。案外悪い幽霊じゃないのかもしれない

 

 きっかけは福引で旅行を引き当てたことで、前話でそれが語られた時から「カワキも一緒なんだろうな!?」と気になって仕方がなかったのは私だけではない……と思う。なお、一緒でした。よかった!!!!

 

 カワキ自身も当初は「オレも行くのか?」と言っていたが、うずまき家の四人はもうごく自然に自分達はカワキも入れて一つの家族と思っているのだ。もう養子でいいんじゃないかな。ええやん、うずまきカワキで。

 

 前述通り、いざ行ってみればカワキもボルトと温泉旅行を満喫していて、描かれるのはほぼほぼ「ベタなお約束」なのだが、かえってそこに安心感がある。

 温泉ではどっちが先に根を上げるかで勝負し、案の定のぼせる(マネしちゃダメ絶対!)。

 卓球では二対二で両親相手にボロ負けし、肝試しでは「幽霊なんかにビビってるのか?」と言い合うも実のところお互い様である…など。

 

 ナルト・ヒナタ夫婦は卓球でも名タッグで、点を取った後ハイタッチしてるのが可愛い。「お兄ちゃんたち、次ケンカしたら失格です!」とおこする審判ヒマワリちゃんも可愛い。

 

 夜、みんなで横になりながら、ナルトはカワキに「悪くなかっただろ?」と声をかける。確かに、彼にとっても新鮮で楽しい思い出になったようだ。

 こちらもまた、カワキの家族旅行などとは無縁だった悲惨な境遇を思うと、「よかったね…!!」と涙腺がゆるみそうになってくる。

 そして、それはナルトの幼少期にも言えるし、かつてはちゃんと向き合える時間を持てなかったナルトとボルトの父子関係も変わったな…と感慨深い。これは何目線なのだろうか?まあナルトの半生を見守ってきたファン目線ということで…。

 

 それに、仲間が命を落とすレベルの争い、復讐と憎悪の連鎖という重いテーマが扱われた長編の直後なので、余計に「日常、大切だな…」と感じる。

 もしかすると、バトルものの日常回から摂れる栄養は、そこにあるのかもしれない。

 

 

 バトルもののメインキャラにとって、「今日はいい日だった、悪くなかった」と思える夜は当たり前ではないのだろう。

 幼い頃から過酷な境遇に放りこまれ、命がけの戦いに身を投じていくキャラクターが日常で見せる笑顔からもらえる癒しと幸福感と、一抹の切なさ。自分が苦しい時は、それを摂取せずにはいられない。

 

 私もまた家族と旅行に行きたいものだ……。