わくわく公式派生作オタク

「原作では見られないオリジナルストーリー!」にわくわくが止まらない異端のオタク

【無限列車編】今だから見直したアニオリ回「炎柱・煉獄杏寿郎」

 「煉獄さんロス」に陥ったのが無限列車編の劇場版とテレビ版を見終えた後ではなく、遊郭編の第一話を見た後だったのは、私だけではないと思いたい。

 煉獄さんが亡くなった後の炭治郎と煉獄家のエピソードが描かれたからだろうか。「ああ、煉獄さんは本当に死んでしまったんだ。この先回想でもない限りあの人は出てこないんだ」という実感が、悲しいほどに湧いてきた。

 

 そんな今だからこそ、無限列車に乗る直前の煉獄さんの活躍を描いた、テレビ版のアニオリ回「炎柱・煉獄杏寿郎」を見直してみた。

 

 煉獄さんの強さ、豪快で優しい人柄を存分に描いたこのエピソード。

 温かいのにガンガン抉ってくる結末に、二度目の視聴でより一層強く心を殴られた。

 

 

 このアニメオリジナルストーリーは、無限列車に乗る前夜の煉獄さんが、人々を襲っていた鬼伊藤健太郎から弁当売りの少女・ふく水瀬いのりとその祖母・トミ井上喜久子を守るという筋書きだ。いやゲスト声優豪華すぎん??

 

 鬼を探すため聞き込みをする状況で、いきなり鬼を知らない一般人に「鬼を見ていませんか!?」と聞いてしまう煉獄さん。「隊の皆に良い土産ができたな!!」と大量の弁当を購入、抱えたまま汽車から飛び降りていく煉獄さん。

 さっきも書いたが実に「豪快」という言葉の似合う人だ。一方で、弁当の差し入れの体で無限列車の整備への潜入に成功しており、決して考え無しに行動しているわけではないとしっかり描写してくれている。

 

 ついに鬼と遭遇した煉獄さんだったが、鬼は人質をとり膠着状態となってしまう……だがそれにしても君らタツ坊(人質)挟んだまま話すの長くない!?とは思った。

 しかし、このシーンの煉獄さんは鬼殺隊の剣士として、柱としての矜持を見せて(聞かせて)くれる。

癒し難き心の傷も、我々が長い時間をかけて手当していく!!!

 その後、助けたふくが鬼なんているわけないと言ったことを謝ると、

いや、それでいいんだ!!鬼を知らず!遭遇もせず!それで天寿を全うできるなら、それが一番だ!!!

と笑う。

 

 その言葉が、傷だらけでなお「俺は、俺の責務を全うする!!」と刀を構える最期の戦いに頭の中でつながった。

 弱き人を助けることは、強く生まれた者の責務。責任を持って果たさなければならない使命。母の遺した言葉通りに生きた人だったと、このエピソードを見直して四重にも五重にも実感する。

 

 そして、これが私の最も好きな要素なのだが、ふくの祖母は二十年前に煉獄さんの父・槇寿郎に命を救われていたと明らかになる。彼女の記憶で、ぴったりと重なる父子。

 あの時、祖母と共に救われたのが彼女の娘であり、ふくの母親だった。つまりふくは、父が人を守ったことで生まれてきた命なのだ。

 

ふく「近くに来たら、また寄ってください!」

煉獄「あなた達のことは、必ず父に伝えます!喜ぶことでしょう。

ではお元気で!!また会いましょう!!!

 最初はこの台詞に対し「わかりやすく死亡フラグだ!!!!」と心の声で叫んでしまったが、改めて聞くと尊いと同時にしんどい。

 いつしか自分に背を向けるようになった父が剣士時代に鬼から守ったうちの一人と出会い、自身も同じ人を守れたこと、もう一人は次の世代へ命をつないでいたと知ったことは、煉獄さんにとって本当に嬉しく誇らしかったはずだ。

 

 煉獄さんの死後、最後に見た姿を思い出し涙を流す父を見て、生きている間に和解できていたら……と切なくならずにはいられなかった。

 もしも、煉獄さんが生き延びていたら……本当にふくと祖母のことを父に伝えられていたら……。いつかもう一度、二人に会うこともあったのだろうか……。

 

 もちろん、煉獄杏寿郎というキャラクターはあそこで散ってこそ、命を賭して炭治郎に未来を託してこそなのはわかる。わかるけどでも妄想するくらいいいだろ!!!妄想してえんだからよ!!!ちくしょーーー!!(謎の情緒)

 

 

 最後に特筆しておきたいのが、この回のすさまじい飯テロっぷり。冒頭、店でそばがお出しされる様子が非常に丹念に描かれている。あんな美味そうなそば初めて見た。オプションに過ぎない大根おろしとネギですらなんか美味そう。

 夜11時台にリアタイ視聴した人には、痛恨の一撃となったことだろう……。ワイは録画して残業帰りの夕食と一緒に見たから平気だよ。

 おそばもあんぱんも弁当も美味しくいただく煉獄さん。そば屋の店主が「気持ちの良い食いっぷり」と言うのもわかる。

 いっぱい食べる煉獄さんが好きである。