わくわく公式派生作オタク

「原作では見られないオリジナルストーリー!」にわくわくが止まらない異端のオタク

【アニメワンピ】オールハント・グラントくんはいいぞ

 今オリンピックが開催されているが、当ブログは常にアニオリンピックを開催しているのはみなさんご存知のことと思う。意味がわからないって?思いついたから書いてみたかっただけで意味はないので安心してほしい。

 

 これまでアニメオリジナルストーリーについて何度か語ってきたが、原作にはいないキャラクターへの愛をつづったことはあまりなかった気がする。

 今回はアニメ版『ONE PIECE』の「海軍超新星<ルーキー>編」の中心であるアニメオリジナルキャラ、オールハント・グラントを語らせて頂きたい。

 

 

 まず、「海軍超新星編」は原作エピソードのゾウ編とホールケーキアイランド編の間に挟まる物語だ。サンジを救出するため出航したルフィ・ナミ・チョッパー・ブルック、彼らに同行するキャロットとペドロ・ペコムズだが、ルフィのムチャクチャな料理(と呼べるかも怪しい何か)で食糧を使い切り、飢餓状態に陥ってしまう。ここまでは原作通り。

 

 そこでアニメオリジナルの本エピソードでは、食糧を盗み出すため海軍基地に潜入することとなる。その基地に新しく配属された若者こそがグラント。実力はあるが、来て早々に味方の部隊をぶっ飛ばし「ビッグ・マム潰してやるよ」と豪語するような男で、海賊の超新星であるルフィに対し、17歳の若さで大佐に昇りつめた彼は章題通り「海軍超新星」というわけだ。

 そして、赤犬に敗北し海軍を去った青雉の部下であり、今でも彼を侮辱されようものならたとえ上官でも「青雉さんを馬鹿にするな!!」と食ってかかるその姿からは、ただ不遜なだけでなく純粋な義理堅さも感じさせる。

 

 余談だがグラントを演じたのは花江夏樹そう、後にジャンプ発の大ヒット作『鬼滅の刃』の主人公・炭治郎を演じるあの花江さんである。それを踏まえて見ると(聞くと)、長年ジャンプの看板を務め上げるルフィとの激突が、二重にエモく感じられるはずだ。

 

 さて、あのルフィがこんなオリジナルキャラのいる海軍基地に入って何の騒動も起きないのはありえない、なんてことはONE PIECEファンならおわかりだね?当然正体はバレ、居合わせたグラントの挑戦を受ける。なおこの時グラントから「ずいぶんとアホ面」と言われているが、二人の顔の作りは結構似ている気がする(後に性格が抜けてるのがそっくりとも言われる)。

 

 そしてグラントには同じく青雉に師事した二人の戦友がおり、彼らも麦わらの一味と交戦する。

 

  手長族のボナムは六式を得意とし、大柄で強面だがグラントとの久々の再会では陽気でノリが良い印象。海軍食堂のカレーが辛すぎて絶叫するグラント(かわいい)に「まだまだお子ちゃまだな」と返して笑う様子は、年相応でほほえましい。また「イブキ気功」の一の段や二の段といった特殊な呼吸法で体を変形させて戦う。やはり鬼滅か…?

 

 ザッパは普段はローテンションな剣使いだが、女が絡むとハイになり海賊と見抜いた上でナミに求婚してくるわ、ルフィを倒して自分がナミとキャロットのキャプテンになると言い出すわと、とにかくサンジとは別ベクトルですさまじい奴。

なんで海兵やってんだ?

 この二人の声優も、安元洋貴古川慎とやたら豪華。

 

 

 しかし、新進気鋭のルーキーとはいえもちろんあの麦わらの一味に勝てるはずもなく、グラントもルフィに攻撃をいなされた上に余裕を保たれたまま敗北。ボナムとザッパは再戦に臨むが、グラントは自身の弱さを思い知り戦意を喪失する。これまでからは考えられない弱気な姿を見せ、涙すらにじませる。

 

 「海賊も!四皇も!おれが全部倒すんだ!!」と必死に叫ぶ自分に対し、静かに「四皇を倒すのはおれだ」とパンチを打ち込んだルフィから、強さ以上に言葉と拳にこめた覚悟の差を見せつけられたのだろう。

 その脳裏には幼少期の記憶がよぎっていた。禍々しい赤毛の巨大な左腕が暴走し、町を滅ぼし泣き叫ぶことしかできなかった自分(この時助けてくれたのが青雉)。そのため、グラントは今でも左腕に拘束具をまとっている。彼の勝気で傍若無人な振る舞いの裏側にあったのは過去のトラウマであり、望まない強大な力に運命を狂わされた弱い自分を覆い隠すためだったのではないか、とも思える。

 

 しかし、戦果を焦っていた自分が青雉に「敵わない相手に出会った時、どうする?」と問われて答えられず、「お前にもそのうちわかる」と諭されたのを思い出し、ルフィのもとへ向かう。

 そして自ら拘束具を破壊し、あの左腕を解放。

礼を言うぜ麦わら……おれはお前のおかげで目が醒めた。

麦わら!!おれはお前を越えていく!!

 

 きっとグラントは、「強くなる」とは威勢ばかりで示すのではなく、自分より強い者を越える覚悟を決めることであり、またかつて「嫌だ、こんな腕!切ってくれ!」と嘆き青雉にすがっていた忌々しい左腕を、自分自身の力として受け入れることだという真理にたどりついたのだろう。私はそう解釈している。

 

 彼のあふれる闘志に応えてか、ルフィも一対一の対決を望んだ。

「名前、なんていうんだ?」

「グラントだ!」

 この瞬間、グラントはきっと数多くいる「ルフィのライバル」への仲間入りを果たしたのだ。

 

 戦いの最中、せっかく名前を聞いたのにルフィは「グラタンやるな!」と普通に間違えるし、グラントもグラントで「ゴムゴムうるせェ!!」と身もフタもないことを叫ぶ。ルフィというかONE PIECEアイデンティティを否定しかねない発言だが、これこそがグラントらしい。

 

 ゴムゴムの雷将象銃<トールエレファント・ガン>との激しい拳の打ち合いの末に敗北し、目覚めたグラントは悔しがるも、「やっぱ5億はすげェな!」と屈託のない顔で笑う。この世界には自分より強いヤツがいる。それを笑って受け入れられるようになった今の彼は、これからもっと強くなれるはずだ。

 グラント・ボナム・ザッパは、次こそ絶対に捕まえると誓い合い、食糧を持って逃げおおせた麦わらの一味を見送る。ルフィも戦いを終えてどこか満足げな、うれしそうにも見える笑顔を船から向け、海軍超新星編は終わる……。

 

 

 海軍超新星編とは、グラントという血気盛んでビッグマウスな若き海兵が、これまで数々の猛者を相手取ってきた海賊「麦わらのルフィ」に鼻っ柱を叩き折られるも、そのおかげで自身の弱さを乗り越え、もっと強くなることを誓う成長譚なのだ。

 

 強気な態度とは裏腹に人間臭い弱さがあって、それでも強くなろうとする。私はそんなグラントが大好きだ。これまで見てきたONE PIECEのアニメオリジナルキャラの中で一番好きだ。そして、無意識に敵を導いてしまうルフィの不思議でどこか心地良いカリスマ性を改めて実感した。

 

 

 だが、グラントが大好きだからこそ、初めて本エピソードを見た時から非常にもったいないと思っている点がある。それはグラントの左腕が何の悪魔の実の能力なのかが、最後まで全く語られないこと。彼はアニメオリジナルキャラなのだから、当然原作本編やSBSで明かされることもないわけで……。この能力こそがオールハント・グラントというキャラクターの背景と成長のドラマに深く関わっているのだから、そこはちゃんと描いてほしかったところである……。

 

 などとモヤモヤを抱えていた私だが、最近非常に興味深いファンの説を見つけた。某イラスト投稿サービスの百科事典で得た情報だが、本物の悪魔の実でなくSMILEを食べた能力者説があるというのだ。

 なるほど、確かに「体の一部が動物のものになる」特徴と一致しているし、SMILEの能力者なら「成長後も左腕が完全には制御できず、元に戻らない」のも納得だし、ホールケーキアイランド前の時点で能力が明言されなかったことにも説得力はある。なお、仮にこの説が的中していたらお玉ちゃんならあの上官にも反抗的なグラントを家来にすることが可能ってことになってしまう。想像すると面白すぎる……。

 

 せっかくなので、エンタメ系ニュースサイト「ナタリー」から当時の特集記事を発掘してきたのだが、そこにも興味深い記述がある。

natalie.mu

東映アニメーションの小山弘起プロデューサーは、「とある部分の設定を、尾田先生に相談しつつアイデアを頂きました!それがどんなところかも、あわせてお楽しみ頂きたいと思います!」とコメントを寄せている。

 

  「尾田先生に相談しアイディアをもらった」のがSMILEの能力者をアニメオリジナルキャラとして先行登場させることであり、たださすがに作中で明かすのは避けたと解釈すれば、一気に筋が通る気がしてならない。書くまでもなく、これはファンの予想でしかないので真相は不明なのだが。

 

 

 ちなみに、劇場版『STAMPEDE』にもグラント達は登場している。本作にはこれまでONE PIECEに登場したキャラが多数カメオ出演しているが、原作キャラだけでなく過去の劇場版やテレビアニメのオリジナルキャラもふくまれているのだ。

 

 グラントの登場シーンは彼がモブ海賊を捕まえるところが大きく映っており、一瞬ではあるもののカメオ出演の中ではかなり目立っていると思う。『STAMPEDE』は全編がそれはもう素晴らしいファンサービスでできているのだが、私は映画館で見てこのシーンだけで十分お腹いっぱいになった。ありがとうございます。また、このシーンの前で一時停止すると奥にボナムとザッパもちゃんといる。

 Amazonのプライムビデオだと0:54:52くらいで登場

 

 

 嗚呼、望み薄なのはわかっていても、グラントくんまたアニメに出てくれ……またルフィと戦ってくれ……!!と叫ばずにはいられない。そして、その時はぜひ何の能力なのか教えてくれ。サルなのかなやっぱり。

 次は原作の海軍側のキャラクターとの絡み(特に、敵でありながらなにかとルフィと縁のあるスモーカー)も見てみたい。なお劇中で直接絡んではいなかったものの、ガープを教育係に持ちコビーとも面識があるようなので、彼らと会話もしてほしい。あとザッパとサンジが同時に登場してしまったら何が起きるのか気になる

 

 

 ……本エピソードを視聴していない原作既読者の方には気になることがあると思う。「食糧が手に入ったら、ホールケーキアイランド編の序盤につながらないじゃん」と。

 だが、安心してほしい。盗んだ食糧はペコムズとペドロがお腹パンパンになるくらい食べて即なくなってしまったので。

 い、いや……ペコムズは登場当初からコミカルなキャラだったからわかるよ?だがっ……!ペドロ……!ペドロ……ペドロお前ーーーッ!!かわいいなあ。

 

(ここでペドロのキャラを変にしないでプンプン💢と思うか、意外にこんな一面もあるんか…かわいいなあ…と思うかで、その人がアニオリンピックの出場選手になれるのかどうかがわかると言われている。言われてはないが。)(※もちろんルフィ達も食べたよ)

 

 というわけで、ルフィはアニメでもちゃんと魚の毒に当たってレイジュお姉様に助けられたので安心してくれよな!!!!