間違って開いた人には申し訳ないんだけど、これは現在公開中の第三作『WORLD HEROES' MISSION』の記事ではない。なぜならコロナが怖くてまだ観ていないからだ。あーでもめちゃめちゃ観に行きたい。すごい観に行きたい。
そんな心を慰めてくれるかのように、今月6日に第一作『二人の英雄』が、金曜ロードショーで地上波初放送された。本当に大好きな映画なので、とても喜ばしい。
ヒロアカ自体が「王道少年漫画」と評される作品だが、『二人の英雄』はまさに「ジャンプアニメの劇場版」の王道の中の王道のような映画なのだ。
舞台はI・アイランド。ヒロアカで初めて海外が舞台となった。それまでの原作にはありそうでなかった場所で起こる！ジャンプ映画っぽい！！
そこでデクは、オールマイトの親友の娘・メリッサと知り合う。仲良くなるオリジナルキャラ！ジャンプ映画っぽい！！
セキュリティ万全と言われていたI・アイランドだが案の定敵が現れ、デク達は捕まったオールマイト達を救うために奔走することになる。
それぞれの個性を使って、敵を食い止めようと協力して奮闘するキャラクター達……ジャンプ映画っぽ～～～～い！！！
こんな簡単なあらすじからでも、本作に「ジャンプアニメの劇場版」のエッセンスがこれでもかと詰めこまれているのがわかるだろう。もうなんか、子供の頃に見ていたワンピ・ナルト・ブリーチの劇場版が走馬灯のように浮かんでくるもん。
「ありそうでなかった舞台」といえば地獄に監獄、「主人公と仲良くなるオリジナルキャラ」なんてそれこそド定番すぎてたくさん挙げられる。
かっちゃん達にゾロみたいな方向音痴属性までついたのはさすがに草生える。
その上、デイヴという「メインキャラ（オールマイト）の昔ながらの親友」なる設定のオリジナルキャラもいるのだ。嗚呼、サガにカリーナ、草冠……！！
もちろん、本作の魅力はジャンプアニメの劇場版らしさだけではない。
戦う力はなくとも人々を救うため大きな役目を果たし、デクをかばってケガをした時「すみません、守れなくて…」と謝るデクに「ありがとうでしょ？」と笑顔で返すメリッサのかっこよさ。
爆豪はこの時点でもこういう状況で切島にならデレ礼を言ってもいいだろうという塩梅の良さ。
あと、私は敵にデイヴさんをさらわれた時のブチギレデクくんの「うるせええ！！」「くそっ！ちくしょぉ！！」がめちゃくちゃ好きです。普段優しい子がキレて言葉が汚くなるの最高。
ヒーロースーツの開発者、すなわち「ヒーローを支えるヒーロー」である父デイヴに憧れ、科学者を目指すメリッサ。そのデイヴはオールマイトの能力減退を憂うあまり、犯罪に手を染めてしまったが、それでもメリッサが開発したサポートアイテムにこめた願いは変わらず、デクの支えになってくれた。
副題の『二人の英雄』は、原作では実現しなかったオールマイト・デクの師弟共闘を指しているのかもしれないが、同時にオールマイトとデイヴという『二人の英雄』から、次世代のデクとメリッサが希望を受け継いでいく意味にもとれる。
ヒロアカの物語のはじまりである、オールマイトからデクへの『ヒーロー』の継承を改めて描く劇場版として、非常によくできているのだ。
定番のあれこれが固めた地盤の上に、しっかりとヒロアカのテーマが載っているから、本作は素晴らしい。
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名曲ですよ
そして、第二作『ヒーローズ:ライジング』でも「原作に出なかった場所が舞台」「物語の鍵であるオリジナルキャラと、主人公が仲良くなる」王道要素を踏襲し、かつ本作にはなかった「独自の思想を持つ美形悪役」というジャンプ映画あるあるも入れつつ、終盤で「まさか！この展開をオリジナルストーリーでやっていいのか！？」と超特大サプライズを仕込んでくる進化を見せてくれたのがまた良い…！これぞまさに、さらに向こうへ、Plus Ultra…！！
第一作では推しの1-Aキャラが活躍しなかったという方も是非
最後は余談になるが、あきやま陽光先生によるスピンオフ漫画『チームアップミッション』の第一巻では、メリッサが雄英高校を訪れてデク達と再会し、原作でデクのサポートアイテムを作ってくれている発目さんと交流するエピソードが読める。
また、『二人の英雄』の公開に合わせて発表された特別読み切りも収録。幼少期のメリッサが父のような科学者を目指したきっかけを描いており、映画でメリッサを好きになった人にはオススメの一冊だ。
ミルコやホークスと任務にあたるデク達も見られるよ
