もうみんな知っていると思うのだが、ジョジョ5部のブローノ・ブチャラティってめちゃくちゃかっこいいよね。
強い。そして優しい。頼れる。
口を開けば名言ばかり。
何より、最期まで己の正義を貫いた姿がかっこよすぎる……。
「オカッパ頭なのにあんなにかっこよく見えるなんて」という声もあるが、何かが一周した頃には「いや、あの髪型もかっこよくね??」ぐらいの気持ちになってきた人は、私の他にもいるはず。
(というか、妙に気合いの入った髪のなびきとツヤを見るに、アニメスタッフの皆さんの中には、確実にブチャラティの髪フェチがいると信じて疑わない)
スティッキィ・フィンガーズも、スタンド界随一のイケメンではないだろうか。白いパンツ履いてるように見えるけど
そんなブチャラティが、原作のあんな名シーンやこんな名シーンでいかにカッコイイか、という話はネットの海でとっくにされ尽くしていると思う。
なので、この記事ではアニメオリジナルシーンにおける彼について書いていく。
まず第6話。
ズッケェロとの戦闘を描いた回だが、戦闘終了後の様子がアニオリで補完されており、アバッキオが意識を取り戻すまで近くで待っててくれる。優しい。
さらにED後のCパートでは、ダメ押しとばかりにアバッキオとの出会いが描かれる。
「アバッキオ……大切なのは結果ではなく、そこに至る道筋だ。おれのチームに来い。過去に縛られたまま死ぬな」
アバッキオの同僚の言葉と重なっているのは偶然だったのか、あるいは……。
あえて傘を下ろし、あの一件以来荒んでいたアバッキオと共に雨に打たれるブチャラティ。共に背負う、ということだろうか?かっこいい……。
こんなアニオリを入れられたら、我々はこいつらのファンになるぞ。いいのか。いいならいいけど。
続いて、12話で描かれたフーゴとの出会い…の話は以前すでに書いていた。
「フッ、面白いじゃあないか」はもはや伝説。(わいの中で)
「話したでしょう?ぼくはカッとなると恐ろしいことをしでかしてしまう…あなたの仲間になったとして、そのあなたさえ殺しかねないんです」
「なら…本当にそうなるか試してみよう。おれと共に来い、フーゴ。おれがお前を活かしてやる。その獰猛な、怒りの衝動も含めてな」
やっぱこちらに(注・視聴者ではなくフーゴにです)向かって手を差しのべる構図が、どうあがいてもシミュレーションゲームのスチルに見えてしょうがない。かっこいい。
19話のミスタの過去においては、新聞で彼を知るシーンの代わりに初対面が描かれている。
牢獄から出した彼に会って最初にすることが、自分のおごりで美味いものを食わせるというのが素敵だ。
そして、チームに入ることを承諾したミスタに「変わった奴だな、お前は」と、フーゴに続いてまたも「お前面白い奴だな…」みたいな言葉をかけてしまうブチャラティ。すき。
これは、前話におけるジョルノのミスタへの台詞
「とことん前向きですね、あなたは……珍しい人だ」
との対比になっていて、
(まるでブチャラティ以上にオレの幹部であるかのように……オレを動かした)
に繋がっているのではないかと思う。
つまりフーゴもミスタも、ブチャラティの存在を通してジョルノを評価したわけで、直接関わらないエピソードでも魅力的に見えてくる男、それがアニメ版ブチャラティである。
20話のトリッシュとエレベーターに乗るシーン自体は原作にもあるが、『二人の手』のことが補完されている。
原作では、不安からか握ってきたトリッシュの手をいつの間にか握り返していたブチャラティ。
アニメだとそっと握り返しているシーンが明確に描かれ、トリッシュはハッとしているが、ブチャラティの方はトリッシュを見ていない。
少女を勇気づけるためにその手を握り返すことを『いい意味で』なんとも思わずにできる人物なのだな、とわかる。本当に優しい。ていうかさりげなくそういうことできるのがかっこよすぎ。こんなん落ちる。
下記は原作通りの名シーンだが
「あたし……父親の事……好きになれるのかしら?」
「そんな事を心配する親子はいない」
「そうよね……その通りだわ…………そんな事心配するなんて…………おかしいわよね……………」
ここで話す時はトリッシュを見ているのをしっかり再現している(ちょうど上のAmazonプライムビデオのサムネイルのシーン)。
このシーンは美しいBGMも相まって叙情的というか、非常に良く仕上がっているのだけれど、再び裏切られるブチャラティの心への布石であるというのがどうしようもなく胸にくる…………。
そして24話。ノトーリアス・B・I・Gに襲われ、両手と意識を失ったジョルノ。
(なぜかこの回だけ編集画面からプライムビデオを探せなかった…)
ブチャラティはトリッシュに「ジョルノ・ジョバァーナは再起不能だ!」と苦渋の表情で答えながら、ジョルノをあっさりと抱え上げて運んでいく(原作ではすぐ亀に入れていた)。
最序盤の出会いの後で、過酷な世界の中の正義をめぐる魂の同志のようなこの二人が、中学生と成人だと実感できるのはこのシーンだけのような気がします。
……だがちょっと待ってほしい。原作の設定だとジョルノは172cm(イベントで展示されていたアニメ版の設定資料を見た方からは、さらに高い175cmと記載されていたという証言もある)。
女性のトリッシュはまあわかるが、中学生とはいえ身長170超えの男性までそんなあっさり抱えていくなんて…力持ちだな!!
そんなストーリー上重要でもなんでもないところまでかっこいいブチャラティでした。
(肉体が死んでいたので重いものを運んでも腕の痛みがなかった、のか……?)
ちなみに、さっきブチャラティが手を差しのべる絵面がシミュレーションゲームみたいだと書きましたが、ノトーリアス戦では彼に差しのべられた手を取るのではなく、敵に勝利するために突っ走るトリッシュもやっぱりかっこいいなあと思いました。
ここまで振り返ってきて、アニメ5部のオリジナルシーンは本当にブチャラティ(だけではないが)のかっこよさをよく掘り下げているな……。
もちろん原作の魅力ありきなのは書くまでもないが、どおりでアニメ新規勢の私も登場当初はあんなに序盤で主人公にやられる小物感全開だったにも関わらず「ブチャラティって超かっこいいな…好きだわ…」と思いながら、毎週見ていたはずである。
だが……喪服ッ……!!
ブチャラティの過去において、本来はとても悲しいはずの父親の葬式のシーンで彼が着ていた喪服……!!
いつもと違って黒いスーツなのはわかる。葬式だからね。
でもなんでそこに白い水玉が入ってるんだよ!!!なんなんだよアレ!!!!
悲しいとこなのに笑っちまったじゃねえか!!!
もう私の中で「落ち込んだ時に思い出すと元気が出る絵」のカテゴリーになっちまったじゃねえかよ!!!
ブチャラティ自身の顔はあんなに悲しげなのに!!!!
彼はいったいなぜ、父の葬式にあの服を選んだのだろうか。
黒くて胸が隠れていてネクタイを締めてさえいればいいと考えたのだろうか。
気になって仕方ないが、我々に知る術はない。真相を語ることなく、ブチャラティの魂は天へと昇っていってしまったのだから……。
あと細かいところではあるが、5話で「4番(のヨット)以外だ!」と頼むミスタへの返事、「わかったよ」の言い方が超優しい。好き。
うん、やっぱブチャラティ、好き。(完)