わくわく公式派生作オタク

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【劇場版ヒロアカ3】今、ヒーローにできること。『WORLD HEROES' MISSION』(ロディはいいぞ)

 これまで、劇場版『僕のヒーローアカデミア』の第三作が見たいけどコロナが怖いだとか、同居家族の許可が出ないとかで映画館に行けないと書いてきたが、今月に入ってようやく鑑賞することができた。

 鬼滅を見逃し(この前テレビで見た)、エヴァも見逃し、コナンも見逃し……実に1年と8ヶ月ぶりの映画館である。

 大スクリーンで映る映像の迫力と躍動感、特に本作で劇場版デビューした黒鞭を使うアクションが最高で、自宅での映画鑑賞も良いが、やはりこれが「わざわざ高い金出して映画館に足を運んでまで観る意味」なんだよなあと感じずにはいられなかった。

 

 思えば、(公開日からは2ヶ月過ぎてしまっているが)映画館で観た直後の劇場版の感想を書くのは、このブログを設立して初めてだ。

 というわけでネタバレが含まれているのでご注意ください。あと作中から引用した台詞がちょっと間違ってるかもしれないけどゆるして。

 

 ていうかさ、ロディがめっちゃ好きなんですよ。ロディ〜〜〜〜〜!!

 メリッサと活真くん真幌ちゃんももちろん好きだが、今回のロディが劇場版の味方側ゲストキャラで一番好きかもしれない。

 ずる賢いアウトローかと思いきや弟・妹思いであり、俳優・吉沢亮さんのアフレコの上手さ、そして二回目以降に見ると登場シーンの印象がまた違ってくるであろう『個性』。幸せな生活を失い、周囲に裏切られ、ヒーローが駆けつけることはなく、幼い弟と妹を養うために犯罪の片棒を担いできた背景……。

 

 指名手配犯にされてしまったデクが、そんなロディと共に隣国を目指す様子はロードムービーのようであり、『良い意味で』ヒロアカらしくない。こういった、いつもの作風から離れたシーンを入れられるのもまた、劇場版の醍醐味だろう。

 最初は相性が悪く見えた二人だが、次第にロディはデクに感化され、仲を深めていく。この二人旅で芽生えた友情がクライマックスへ、ラストへと結実し、本作はデクとロディのバディものと言ってもいいくらい。

 デクはヒーローとして、一般人や他のヒーロー達、そして真っ当に生きることを諦めていた一人の少年を救ったのだ。

フラワーズ

フラワーズ

  • provided courtesy of iTunes

個性で乗車賃払うデクくんほんとすこ(※この歌が流れるシーンではない)

 

 

 もう一つ感銘を受けたのが、おそらく制作陣の皆様がコロナ禍ならではのメッセージをこめてくれたと思われる描写だ。まあ特に確証はないのだが(見に行った時にはもう入場特典の冊子が品切れになってたので…)。

 今回の映画では、爆豪・轟以外の1-Aメンバーはエンディングでしかデクと一緒に登場しない。しかし、遠く離れていても彼らはデクが無実であること、デク達なら諦めないことを信じて奮闘する。その姿が、本作のヴィラン・フレクトに立ち向かうデクを突き動かしてくれる。

 

「フレクト、お前は諦めたんだ!諦めずにぶつかっていれば、解り合えたかもしれないのに!」

「僕達は、諦めない言葉を知っている……『さらに向こうへ、Plus Ultra』!!」

 

 これは、コロナ禍により引き離されざるを得なくなった現実社会の我々へのエールなのかもしれない。離れていても絆は変わらない、励まし合える。だから、この困難な時代に立ち向かっていくのを諦めるなと。

 

 エンディングで新しい人生を歩み、夢を追い始めたロディにとってのデクがきっとそうであるように、会えなくてもヒーローは我々の心の中にいる。そんな物語を受け取った一人になれたことを、私はとても喜ばしく思う。

 

エンパシー

エンパシー

  • provided courtesy of iTunes

 

 デクとロディのことばかり書いてしまったが、幹部相手に激しい戦いをくり広げた爆豪と轟(今回のヴィランはボスだけでなく幹部ポジションもしぶといのだ)、一人一人の登場シーンは少なくともしっかり「ヒーロー」していた他のキャラクター達も、みんなかっこいい。

 まだ付近の映画館でギリギリ上映している方にも、終わってしまったのでレンタル待ちという方にもオススメだ。