「食わず嫌い」と言うほどでもないけれど、「この作品、ネットでバカにされてんの見たことあるな」って印象から始まること、あると思う。「他人にどう言われても好きなものがあるのは素晴らしいって話は、アニオリや実写化にも当てはめていいんだろうか?いいんだと言いたい!」なんてお題目を掲げてこのブログを運営してる私も、そう思うことはよくある。
「本人役で出演したサッカー選手達が棒読み」と聞いていた、劇場版コナンの『11人目のストライカー』もその一つだった。それなのに、今や毎年Huluで歴代劇場版が期間限定で見放題配信されるたびに、絶対に通しで観る作品だ。
初見のうちで特に好きになったのはサッカーが題材の『11人目のストライカー』で、「ゲスト出演した実在のサッカー選手さんの演技の拙さ」や「試合中に特定のプレーをすれば爆弾が解除される荒唐無稽さ」の印象が先行するが、実際見てみるといい意味で裏切られた。
思うに本作の主題はサッカーをめぐる絶望と希望、サッカーを通した年齢も立場も超える人間同士のつながりであり、そしてそのつながりは犯人との間にも生まれ得たことを示したラストシーンに帰結する。自分にとっては、真っ当な注目の浴び方にも十分値する作品だった……ただし、『ストライカー』の特に好きなところは犯人絡みなので、詳細は書けない。いつかこれ一本でネタバレをふくむ感想を書きたいので、それまでにとっておこう。
そうしてまた自分は『劇場版コナン』に魅了されるのだ - わくわく公式派生作オタク
hijikidays2.hatenablog.com
視聴後の私はもうすっかり、『ストライカー』のイメージって「実在のサッカーチームや選手とコラボしてたよねー、でも選手の演技ヘタなんだよねー」で終わっていいんだろうか?いいわけねえだろうがよお!!!!というお気持ちである。
もちろん、他の人にとって面白くなかったり、好きじゃなかったりするのは仕方ない。だが『ストライカー』のことを棒読みでしか語れない人間がもしいるとすれば、その人がちゃんと見たのかどうか、それは某漫画の実写映画版を「見た目がコスプレ」「興行収入が爆死」「ロケ地が設定と違う」と肝心のストーリーにはかすりもしない情報でしか非難していなかった四年前の職場の同僚くらい怪しいし、十年も経ってから急にアニメ版『トリコ』のグルメスパイザーを笑い物にし始めたネットユーザーくらい怪しい(熱い偏見)。まあ、視聴前は実際そういうイメージを持っていた私が書いても説得力はないだろうが……。
ともかく、この想いを存分にぶつける「いつか」がついにやってきた。というわけで、この記事は『11人目のストライカー』の内容、特に「犯人が誰なのか」を思いきりネタバレしているのでご注意ください。
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